高岡が誇る金属工芸
金属には、本来さまざまな表情が眠っています。
炎のような赤、深い黒、時を重ねた緑青。
それらの色彩を引き出すのが、高岡銅器に四百年以上受け継がれてきた伝統着色の技術です。

富山県高岡市は、1609年に加賀藩主・前田利長によって鋳物産業が奨励されて以来、日本を代表する金属工芸の産地として発展してきました。仏具や茶道具、花器、銅像など、数多くの工芸品を生み出し、その高度な技術は現在も受け継がれています。
悠久刃楼では、その高岡を代表する着色工房の職人によって、一つひとつ丁寧に色彩が施されています。

伝統着色は、薬品と熱を用いて金属表面を化学反応させる伝統的な化学着色技法です。しかし、その本質は単なる表面処理ではありません。
薬品の配合、加熱温度、炎の当て方、反応時間、さらには季節や湿度までを見極めながら、職人が経験と感覚によって色を育てていきます。
同じ材料、同じ工程であっても、まったく同じ色にはなりません。それこそが工芸であり、一点一点に宿る個性でもあります。

伝統着色が吹き込む新たな生命
悠久刃楼では、緋銅、緑青、黒など、日本の自然や長い年月が生み出す美しい色彩を採用しています。
燃えるような赤銅色。
悠久の時を感じさせる深い緑青。
静寂を湛えた漆黒。
どれも塗料では決して表現できない、金属そのものが生み出す自然な色彩です。

精密切削によって刻まれた文様へ、伝統着色が施されることで、金属は工業製品から工芸品へと姿を変えていきます。
工業が寸法精度を極め、工芸が色彩と生命感を与える。
悠久刃楼は、その両者が融合することで、新しい日本のものづくりを目指しています。
使い込むほどに風合いは深まり、時間とともに持ち主だけの一本へと育っていく。その経年変化までもが、この技法の魅力の一つです。

四百年以上受け継がれてきた高岡の伝統。
その色彩を現代の精密加工技術と融合させ、未来へ受け継いでいくこと。
それもまた、悠久刃楼が大切にしているものづくりの使命です。