ヘッドを造形する工業技術
両刃カミソリの性能を左右する最も重要な部品。それがヘッドです。
刃の露出量や角度、固定精度など、わずかな寸法の違いが剃り心地や安全性に大きく影響します。悠久刃楼では、この重要なヘッドおよびプレートにMIM(Metal Injection Molding:金属粉末射出成形)を採用しています。
MIMは、金属粉末と樹脂バインダーを混合した原料を金型へ射出成形し、その後、脱脂・焼結を経て高密度な金属部品へと仕上げる先進的な粉末冶金技術です。複雑な三次元形状を高い寸法精度で量産できることから、自動車、医療機器、精密機器、時計など、高い信頼性が求められる分野で広く活用されています。
高い精度による心地よさ
悠久刃楼では、真鍮、銅、そしてステンレスを、それぞれの素材特性に合わせて精密に削り出しています。
ヘッドには、耐食性に優れたSUS316Lステンレスを採用しています。医療機器や食品機械など、高い衛生性と耐久性が求められる分野でも広く使用される素材であり、水や石鹸、湿気にさらされる環境でも錆びにくく、美しい状態を長く保ちます。毎日使う道具だからこそ、長期にわたり安心して使用できる素材を選びました。
MIMの最大の特長は、複雑な形状を高い精度と優れた再現性で量産できることです。金型による量産でありながら、部品ごとの寸法ばらつきを極めて小さく抑えることができるため、替刃を均一に保持し、安定した剃り心地と安全性を実現しています。さらに、焼結後には平面研磨やバフ研磨を施し、美しい光沢と滑らかな肌触りへと仕上げています。

伝統工芸を生かすために
ヘッドの設計にあたり、社内における試作と検証を何度も繰り返しました。刃の角度や露出量、安全性、操作性を細かく確認しながら最適な形状を追求。その設計思想を忠実に形にするため、国内のMIMメーカーと打ち合わせを重ね、悠久刃楼独自のヘッドが完成しました。
掲載している写真は、金型から成形品が取り出される様子や、成形後のヘッドです。目にする機会の少ない製造現場ですが、一本のカミソリが生まれる背景には、日本の高度な精密製造技術があります。

伝統工芸が美しさを宿すためには、その土台となる工業技術が欠かせません。
伝統の手仕事と最先端の精密加工。
悠久刃楼は、その両方をMade in Japanの品質で融合し、永く愛される一本をお届けします。